型染版画「山」
型染を始めた初期の頃の作品です。もう20年ほど前になるでしょうか・・・。小さい画像しか見つかりませんでした。
多摩美術大学美術館で開催されていた岡村吉右衛門氏の作品展を観て、
「これが型染なの!?型染でこんな作品が出来るの!?」と衝撃と影響を受けた頃に作りました。
それまでに、型染は既に始めていて、芹沢けい介氏の型染作品を見たりして独学で技法を色々と試しながら、いわゆる「型染っぽい」ものを和紙に制作していたのです。
型染というと、”普通に”は、着物のためのもの、その他のれんなどの布もの、工芸の分野に属するものでした。
私もそう思っていて、大学では陶芸をやっていた事もあり、工芸なんだよなぁ、と思いながら型染をやってみていたのですが、どこか窮屈な気持ちがあったのです。
そんな「もやもや」がふっとばされたのが、岡村吉右衛門氏の作品との出会いでした。
大らかで、暖かくて、踊りだしたくなるようなわくわく感を感じさせる作品。
これは、工芸の分野に収まらない。型染でこんな事をしてもいいんだ!
そう思って解放されるような気持ちでした。
私は今のところ帯や半襟などを作ったりしていますが、内心では本筋ではないなぁ、という思いがあります。(きっぱりやめちゃったほうが良いんでしょうか・・・)
岡村氏の作品に使われている技法を、(氏に直接お会いする事はかなわなかったので)作品から直接学んで(推測して)、和紙に顔料を何度も重ねて、顔料の上から糊を置いて、顔料を入れてまた糊を落として、という方法を試し始めたのが、この作品です。
岡村氏の作品には到底届きようもありませんが(作品の後ろにある世界も広大なのです)目指していきたいのは、そちらの方向なのです。
岡村吉右衛門氏の作品は鳥取県立博物館資料データベースにて見られます(著作権の関係で表示されないものもあります)
検索はこちらから
http://digital-museum.pref.tottori.jp/contents/art501_fulltext.asp
This work is a printmade made by the technique of type dyeing.
It was influenced by the work of Mr. Okamura Kichiemon, a printmaker, and produced it.