浮世絵最強列伝-江戸の名品勢ぞろい

承天閣美術館

見てきた展覧会のお話です。

相国寺承天閣美術館で開催中の浮世絵最強列伝-江戸の名品勢ぞろいを観てきました。

私は初めて見る作品もありました。見ごたえのある展覧会です。(会場はエアコンがとっても効いています。冷えない準備をしていらっしゃった方がよろしいです。)

私がいちばん目を引かれたのは、喜多川歌麿の「風流七小町 関寺」でした。

上記のサイトのトップページ右側に出てくる母子の絵です。

三味線を弾いている母に子供が甘えている図(たぶん)。

母の笑顔も子供の表情も、とても愛おしくて、子供が甘えてまつわりついてきた瞬間のその動きを感じられて、ずっと眺めていられる作品でした。(タイトルで検索すれば画像が見られます)

浮世絵が出来て行く過程をひとつずつ再現した展示もあります。それを見ていたら、思っていたのと順番が違っていて、そうなのか!とびっくりした部分もありました。

絵を一枚一枚丹念に見ながら、これが手で描いたものならば、そんなには驚かないけれど、木に彫って紙に摺ってある、というのはとてつもない事だなぁ、と改めて浮世絵版画は凄いなと感動しました。

髪の毛の一本一本や、踊る波、着物の柄、鎖帷子などを絵筆で描くよりもずっと難しいと思うのです。(鎖帷子と思った一枚は、どうすればこう摺れるのか??と絵の前で考え込みました)

江戸の人々はこの絵をたくさん摺って多くの人に届けるために技を磨き、頭を使って、それを楽しみながら仕事をしていたのではないかと、そんな想像をしていました。

その絵を見た江戸っ子が驚いたり喜んだりする顔を思いながら、ふっふっふ、と、そんな感じだったのかもしれません。

たくさん売れるという事も、もちろん大切だったのでしょうが、それ以前に、この一枚の絵を手に取った人に伝えるものがあった、そういう気がします。

TVもネットもない時代の、絵によるコミュニケーション。

その豊かさを少し羨ましく感じた展覧会でした。

出品リストを見ると、前期と後期では展示作品が全て取り替えになるようです。前期は8/5まで。巡回もあります。