型染についてのごくごく簡単な説明をしてみたいと思います。
型染では、筆に絵具をつけて紙や布に直接絵を描くのではなく、型というものを使います。
表現したいものの形が出来るように型紙を作り、それを使って色を入れて絵をつくります。
絵になる部分もしくはその周辺を切り抜いて型紙を作りますが、形と形がつながっている状態にしておかないと絵になりません。
たとえば、ト音記号を型にして絵を作りたいとします。
これをアウトラインに沿って素直に切り抜いていくと・・・
・・・こんなことに。
線で囲まれている部分が抜け落ちてしまいます。
そこで抜け落ちては困るところが残るように外側とつなぎます。
こんな感じです。
必要な形が抜け落ちてしまわないように、絵としては必要ない線を入れなくてはならない、というのが型を作る時に起きてくる制約です。
この制約は面倒なようですが、それを逆手にとって、つなぎの部分もデザインにしてしまうことで絵として面白いものになったりします。
高名な型染作家の作品を見るときなどに、「あ~ここつないでるんだぁ~」などと探してみてください。楽しいです。