図工準備室の窓から: 窓をあければ子どもたちがいた

小学校の図工の先生と、子供向けの物語を生み出す人。その両方をこなし、両方を成功させた人の、主に学校でのエピソードを書いたエッセイ。

物語のほうしか知らなかったが、これを読んで図工の先生としての目線が物語に生き、物語が図工の先生としての日常に生きたのだということがよく判る。

ここに書かれているエピソードは心温まるものばかりだけれど、学校という日常でそんなことばかりであった筈はなく、ここに書かれていない日々の積み重ねが、これらのエピソードを生み出しているのだというのが行間から伝わってくる。

小学校における絵画の課題とは

わくわくどきどきしながら
①絵をかくことが好きになること
②ぼくはやったぞ、と思えること
③あの子やるなぁ、と思えること

の三つなのだという。

この”絵画”を”人生”に置き換えてもいいと思う。

わくわくどきどきしながら
①生きる事がすきになること
②ぼくはやったぞ、と思えること
③あの子やるなぁ、と思えること

次の授業に持ってくるものを子どもに訊かれて
「筆記具と愛と勇気」
と答えるエピソードや
授業での子ども達との会話などからは
大人と子ども、先生と生徒の垣根を越えた暖かく軽やかな信頼関係が構築されていたであろう事が感じられる。

ここに出てくる小学生だったひとたちはもう大人になり、社会に出ている世代。この学校での日々が、大人になったその人の日々を支える栄養となっていることであろう。
次の世代にその栄養を伝えて欲しい。