ツバメ堂のつけ帯の形について

着物が普通の衣服ではない現代に生きている私たちが着物に目覚めて、
お母さんやお祖母さんやお友達などから譲り受ける事が出来ない場合に
着物を手に入れる手っ取り早い手段は、やっぱりオークションでしょうか。
私も着物を着ることにはまり始めてしばらくは、
オークションで着物や帯を沢山見て少しずつ落札して手に入れていました。

お太鼓結びをなかなか会得できなかった頃は
つけ帯をひたすら探しては手に入れていたのですが、
オークションに出品されている品というのは昔作られたものが中心で、
つけ帯と一口に言ってもいろいろな形のものがありました。

胴回りをマジックテープでとめるもの、お太鼓の形が作ってあるもの、
作ってないもの、胴部分の両側に柔らかい別布がついていてそれを後ろで結ぶもの、
胴の下側にひもがついていて結ぶもの、などなど。

それらのつけ帯をかたっぱしから使ってみて一番使いやすい、と感じたのが、
胴部分は下側についたひもで結び、「て」が一体になっていて、
お太鼓は自分で形を作る、という、いまツバメ堂で作っているタイプでした。

つけ帯ではない帯(名古屋帯etc)を締める時には帯の下側を締めますし、
お太鼓結びの際にはお太鼓の形を作り、て先の部分をお太鼓の中に通します。
この帯結びの感覚とあまり変わらなくて、締める時に違和感が少ない、
傍から見ていかにもつけ帯ちっくにならない、といった点が、
使いやすいと感じたポイントです。

お太鼓結びをまだ会得していない人にとっては、本番の帯結び(って変な言い回しですが)
の際につけ帯を締めていた時の感覚が役立つように、
そしてお太鼓結びを普段やっている人には、ほぼその感覚のまま
つけ帯を締められるようなものならば、帯とつけ帯の行き来が自然に出来て、
その時々の状況に応じてどちらでも使えるようになると考えました。

帯とつけ帯の間にある垣根(特に心理的な)を取り払って、
身につける人の自然な感覚で自由に選んで使えるのがいいと思うのです。

「あら~つけ帯使ってらっしゃるのぉぉ~お太鼓お出来にならないのねぇぇ」
なんていう言葉を投げられるんじゃないかと身を縮めたり、
そんな言葉を誰かに投げる事がまかり通ったりする不自由な世界ではなくて、
着る人の感覚を大切にして、誰でも肩の力を抜いて着物を楽しめる、
着物を楽しむ人同士が自分が使って便利だったもの気持ちが良かったものを情報交換しあって、
喜びの輪が広がっていく。そんな世界の一端をツバメ堂のつけ帯も担う事が出来たら
理想的だなぁと思っています。