きものおばさんは着物初心者の味方

きものを着始めて間がない”きもの初心者”の間は、

きものを着て町へ出るのはわくわくどきどきするものです。

嬉しいのと同時に、「とんでもない着方をしてるんじゃないか」

という恐怖感がつきまとい、何度も襟元のあわせを確認してしまったり。

私はベテランとはとても言えないレベルのきもの着用者(勝手に造語)ですが、

街を歩いているきもの姿の方が「すごく変!」に見えることはほとんどありません。

個人的には、レンタルのお店で上から下まで揃えてびしっと着付けもして貰った

いかにもな「着物です!!!」という姿よりも、

自分の手持ちのきもの、もしかするとお母さんやおばあさんから譲り受けたきものを、

自分で着られる形でゆるりと着付けて半幅帯で歩いている姿の方が、

私は個人的には好きです。

”衣装”としてのきものではなく”衣服”としてのきものを感じられるからです。

そんな自分で着付ける派の初心者が、街で時々お世話になることがあるのが、

いわゆる

「きものおばさん」。

うっかりお太鼓が落ちてしまっていたり、襟元がゆるくなってしまっていたり

といった場合に、時に優しく時に厳しく時にお節介に着付けを直してくれる、

ありがたい存在です。

見ず知らずの赤の他人の年長の女性から突然話しかけられて

「ちょっとアンタ、お太鼓おちてるやないの。なおしたげるし!」

なんて口調で喋られたりすると、内心ぎょっとしたりコワかったり

反発心が起きたりしてしまいますが、

教えてくれたり直してくれたりする方は物凄く親切なのです。

みっともない格好になってしまっている人がいても、

黙って放っておくことも出来るのですから。

それをわざわざ声をかけてくれて、指摘してくれて、直しまでしてくれる。

こんなありがたいことはありません。

私自身は「きものおばさん」をする機会がまだないのですが、

彼女たちの思いは何となく想像ができます。

彼女たちは、きものが好きなのです。

そして、きものを着ている若い人たちを応援し大切にしたいのです。

着付けを直してくれながら「若い人がきものを着てくれて嬉しい」とか

ご自身のきもの体験など含蓄のあるお話を聞かせてくれたりもするかもしれません。

そのお話が自分の着付けのヒントになったりして。

通りすがりの人にタダで着付けを教えてくれる青空無料着付け教室のようなものです。

こんな形で人とのつながりが出来るというのも素晴らしく素敵な事。

安心して甘えて感謝して直していただきましょう。

そしてそのうちにこんどは自分が「きものおばさん」になって

誰かを助けてあげましょう。

豊かな着物ライフが広がります。