着物はじぶんで着たくて着る

数日前にfacebookで見かけたニュース

浴衣でクールビズ!

経済産業省が和装産業振興のために、きものの日、というものを導入して職員に和服での出勤を促そう、というもののようです。

facebookでは賛否両論。ツバメ堂はどちらかというと懐疑派です。

着物を着たことがない人に着物に興味を持ってもらう、というのは大事なことなのですが

今のこの状況で、この方法は逆効果かな・・・・・・と思います。

経産省の職員の方々も、その日は着物で、と言われてしまったら、たとえ自由参加で、と但し書きがあったとしても、着ざるを得なくなるのだろうなぁ、という気がいたします。

着物を好きな職員の方はよろしいのです。もうどんどん着て出勤して、外部の方にもお会いして、着物は単なる衣服のひとつ、という雰囲気を世間に作って頂ければ。

しかしそうでない方は。

着物を着たことがない、自分では着られない、持ってない、メンテナンスのこともわからない、などなど。ハードルがさぞかし高いことでしょう。

でも業務命令(実質そうなるでしょう?)では着るしかない。

持ってないから買いに行く。自腹で。そしてどれを買っていいものやらわからないし、お店のいいなりのお買い物になる。お高め。着付けも自分で出来ないからお金払って着せてもらう。動きにくい。苦しい。高かったし汚さないよう気を使う。ぜんぜんクールビズじゃない。もうやだ着物。大っ嫌い。

良くない方向のシナリオを想像してみました。どちらかというとこんな感じになるのではないでしょうか。それなりのケアを事前に全くしなければ。

これじゃあ着物ギライを増やすだけ。逆効果です。

着物は押し付けられて着るものではなく、愉しいから自分で着るものだ。とツバメ堂は思っております。(どんなことでもそうです。愉しいから自分でやる。)

こういう形で無理にでも着てみて開眼するという事だってあるでしょう~♪

という考え方もありますが、それは状況を整えた上での話だよなぁ、と思います。

普段はお洋服だけで過ごしている人が、浴衣なり着物なりを見て、これを着てみたい、と素直に思えて、それほど懐も痛まないで買えて、楽に着られて、愉しい思いを一日なりとも出来る。

という状況を、着物業界が先に作っていなければ成り立たない話です。

現状は、残念ながらぜんぜんそうじゃないのでしょう。

多くの着物のお店は売りたいものを何としても売る。高額のものを。という姿勢でご商売をなさっている、と聞きます。(ツバメ堂は行きません、そういうお店に。実体験がありませんので人様からの伝聞ですが、そうなんだろうなぁ、と思います。)

着物の良さを本当にわかっていて、その良さを伝えたい、着物を愛してほしい、という姿勢でお仕事をしているお店に運よく行き当たって、着付けも自分で楽に着られるように教えてもらえて、メンテナンスも教えてもらって、なーんだ着物って自分で着られるし愉しいじゃーん♪という思いが出来る幸運な人はまれなのではないでしょうか。

少なくとも、自分から情報を探していかないと、そういう幸運な状況には行き当たらないだろうな、と思います。

そういう情報面のケアもちゃんとやってくれるのかな?多分やらないんじゃないかな?ひょっとすると売りたいものを無理売りする業界とタッグを組んで、職員に無理やり買わせるのかな?とか、そんな良くない想像もしてしまったりして・・・。

ひどいですか?現状を見てるとそう思えてしまいます。

着物の普及というのは、上から押し付けるものではなく、着たくなる状況を整えていく事で自然と出来ていくと思います。それでこそ長続きもするというものでしょう。

北風と太陽の物語のように。