型染版画の工程

型染版画で絵をつくる工程について簡単に解説いたします。
①下絵を描く
②型を彫る
③糊を置く
④色を入れる
⑤糊を落とす

こんな工程です。

ちょっと詳しく書きますと

①下絵を描く
形がばらばらに切れてはいけませんので、そのことをふまえつつ描きます。
以下の画像は作品の下書きです。
けものとけものの間に渦のようなものをえがいて
それをつなぎとして使っています。
つなぎをつなぎとしてだけつけると、糊置きの作業をする時に
そのつなぎ部分をつぶす、という作業が必要になります。
それが嫌なのと、型染の制約を逆手に取る、という主義から
つなぎを絵の一部とするようにしているのです。

下描き

下描きの段階

②型を彫る
描いた下書きを型紙用の紙(渋紙とか洋型紙というもの)にセロテープでくっつけて
下書きごとデザインナイフで切り抜きます。
綺麗に切り抜けると同じ絵が二枚できます。
はがすときはなかなかの快感です。
セロテープでくっつける、というのは私がやっている方法です。
たぶん型染としては邪道です。
下書きを型紙にカーボンで写して切り抜いてもいいのです。

型になった段階

型になった段階

③糊を置く
彫った型を和紙の上に置いて、その上から糊をヘラで塗りつけます。
彫りぬいたところに糊が入って、その部分には染料・顔料がつかなくなります。
型に紗という網状の布を貼り付けて使うのが型染としては本筋ですが
私はアルミ枠という金属の網の板を型の上から乗せて糊を置きます。
紗を貼った方が型は長持ちします。
糊置き後に型をはずすと、糊が入っていない部分が和紙のまま残っています。
そこに次の工程で色を入れて行きます。

④色を入れる
糊が乾いたら和紙のまま残っている部分に顔料や染料などの色を入れていきます。
私は天然顔料を豆汁(ごじる)で溶いたものを使っています。
天然の色で落ち着いた風合いなのと、作業をしている間の香が好きなのです。
ただ豆汁はなにしろ大豆ですので、時間が経つと腐ります。
その香はいただけません。作業はさっさとやります。
腐らない合成顔料もあります。
まとまった作業時間をとれない時はそっちを使ったりもします。

色入れにつかう顔料

色入れにつかう顔料

⑤糊を落とす
色を入れてしばらく(数日ぐらい)置いて定着させます。
合成顔料の時は待ちません。
水を張った盥などに作品をどぼんと浸けます。
冬でも水です。お湯を使うと顔料が落ちやすくなります。
30分~1時間ぐらい、冬はもっと長く浸けておくと
糊がふやけて和紙から剥がれ気味になってきます。
そこを刷毛で静かに取り除いていきます。
糊を落とし終わったら、平らな場所に和紙を貼り付けて乾かし、完成です。

完成作品

完成作品